2008年10月1日水曜日

Q3:「早卒」って、何?

 高校生からの質問です。
 「早卒(はやそつ)」「繰上げ卒業」などと呼ばれますが、「Early Graduation」の訳です。

 アメリカの高校卒業資格は、1.総単位数、2.必修科目の単位数、3.成績平均値(Grade Pint Average、GPA)の最低・基準が決められています。さらに、卒業資格試験(High School Exit Exam、全米23の州で実施中)合格やボランティア活動などが、卒業要件に入れられている州も多くあります。
 実は、この卒業要件の中に「在籍期間:何年間高校に在籍しなければならないという決まり」がありません。日本の高校でいう、完全な「単位制」になっているのです。ですから、4年制の高校の生徒が、3年でこれらの要件を満たして、卒業資格を取ることが可能になります。ただし、どの高校でも1日に受けられる授業数に限界がありますので、4年制の高校を1年間、または半年間、「早卒」するのが現実的です。
 
 現地校で学ぶ日本人の高校生が「早卒」を考えるのは、1.保護者の任期の都合、2.帰国時に、日本の学齢に戻りたい、が主な理由です。

 「早卒」する為には、必修科目の単位を早めに取り、1日の授業時間を増やして早く必要単位数を確保することです。そのためには、遅くとも10年生の始めから、受講するクラスの計画を立てて準備する必要があります。まず、なるべく早くカウンセラーに相談に行ってください。

 日本の帰国子女受入れ大学への進学にあたっては、いくつかの大学を除いて、「早卒」しても受験に問題はありません。
 
 注意:
 アメリカの教育のルールや内容は、アメリカの歴史・伝統からきている地方自治(Local control)の考え方に従って、州ごとに異なるのが基本です。さらに、地域住民に選ばれた委員が決定権を持った学校区(School District)で学校教育のより詳細なルールが決められます。
 このブログで私がお話しするのは、全米の平均的な内容で、それぞれの州や学校区などで具体的なルールが異なる、と理解してください。ですから、それぞれの回答については、皆さんの州と学校区でのルールを確認してください。

 今回は、ここまで。


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