2009年2月7日土曜日

Q42: 書き写し:日英対訳「天声人語」(1)

Q: 滞米5年、7年生(中学2年)の男の子。補習校はやめました。
   日本語の読み書きの力をつける良い方法はありませんか?


A
: 天声人語の日英対訳本の、日本語部分の書き写しを勧めます。

 アメリカに5年で現地校の中学生であれば、日本語よりも英語で読み書きする方が,簡単になっていると思います
 「漢字の読み書きが大変」「日本語の単語力も弱い」、だからといって、「小学生の漢字ドリル」や「易しい文章の日本語本の読書」はいや、というのが普通です。

 こんな子どもに、朝日新聞のコラムの「天声人語」の、日本語と英語の対訳の本の、日本語の文章の書き写しを強く勧めます。こんな手順でいかが?

1, まず、本(「英文対照 天声人語」 原書房)を入手してください。アメリカの大きな日系書店には置いてありますし、注文できます。この本は、年4回発行されますので、なるべく新しいものを。
2, 400字の原稿用紙を準備。別に買わなくても、ワープロで2020行のマス目を作り、印刷すれば十分です。
3, 日本語と英語の天声人語が見開きで印刷されていますから、お子さんに好きなページを選ばせてください。
4, 原稿用紙に、縦書き・横書き、どちらでもOKですから、日本語の文章を,ただ書き写しさせてください。(余計な口は出さない!)
5, 原稿用紙、1枚書き終わったら、作業は終わり。天声人語は約800字で書かれていますので、ちょうど半分で終わりです。あとの半分は、明日。
 「もう1枚書いてみない」と声をかけてみて、「OK」と言ってくれたら、成功!(だけど、無理に2枚書かせない!)
6, 書き終わった原稿用紙の片隅に、お父さん・お母さんの二人が、一言「がんばったね!」「素晴らしい!」と褒め言葉を書く。
7, ついでに、お子さんの感想を聞いてみてください。「日本語が難しい」と言ったら、「英語読んだら分かるでしょ。」と答えましょう。ほとんどの子どもが「こんな簡単な英語を、何でこんな難しい日本語で書くの?」といいます。
 日英対訳の本を使う理由がこれです。
8, その原稿用紙を、バインダーに綴じて、家族みんながそろうリビングに置いておく。(子どもの部屋に持って行くと、毎日「どこ」と聞く羽目になる。)
9, 以上を、「毎日1枚書こうね」と約束させて、繰り返す。(本当は、土日休みの、週5枚でもありがたい)
   最初は、140分くらいかかるでしょうが、すぐに20分くらいになってきます。

 ます、やらせてみてください。

 長くなったので、説明と効能は明日。


1 件のコメント:

simonesimonsymphony さんのコメント...

私自身、英文対照・天声人語は学生時代に少しだけ読んだことがあります。もちろん日本文は味わい深い「天人」ですが、その前にそもそもあの英訳って信用してよいのでしょうか・・? 当時私には何か硬い「和文英訳」に感じた記憶があります..