2009年2月8日日曜日

Q43: 書き写し:日英対訳「天声人語」(2)

 今日は、昨日の続きで、書き写しのねらい・効能・注意です。

ねらい:

1, 書かれた日本語に、毎日出会わせる。
 家庭内で日本語の会話は、十分通用しているはずです。子どもがこれからに身につけていかなければならない最終目標は、日本語、それも大人のレベルでの読み書きの力です。その書かれた日本語に毎日接する機会を作ります。まず読めるようになること。それがないと、書けるようにはなりません。、

2, 日本語での知識を増やす。
 漢字の力だけでは、読みは出来ません。日本語での言葉の数とその言葉の使われ方が必要です。さらに、それらの言葉が使われる場面や内容の理解、すなわち、日本語での社会知識が豊かにならなければなりません。
 「天声人語」を使う理由が,これです。日本国内の大学受験生が文章と社会知識のトレーニングのために使う文章のレベルです。

3, 英語の力、英語での知識を活用する。
 日本文が理解できなければ、同じページに書いてある英文の訳を読ませます。日頃見慣れている英語の言葉や英語での身についている知識をフルに動員して、日本文の理解を助け、深めます。自然に漢語に対する抵抗感が弱くなってきます。

4, 高校・大学入試の準備
 しっかり書かれた文章の書き写しは、自分が文章を書くときの強力なトレーニングになります。まして、その内容が、日本の一般的な新聞であれば、日本の社会情勢や伝統文化の知識が身についていきます。入試の小論文や面接のへの日頃からの準備です。

 天声人語の書き写しのねらいは、まだまだありますが、これくらいにしておきます。あとは、ご自分でお気づきになると思います。
 もし、お子さんが20枚の書き写しを終えたとしたら、ここで述べた「ねらい」が、成果・効能に変わっていくことも,お分かりいただけると思います、

最後に、お父さん・お母さんのやってはいけないこと、注意を一つだけ。
 書いたのを見て、「もっと上手に書いたら」「字が汚いね」とけなす言葉は厳禁です。「なんだ、これ!」を言ってしまうと、書き写し作戦、完全に失敗だと思ってください。
 でも、「あ、ここ、点が抜けてるよ」「横棒が一本多いよ」と、間違いだけを、優しく指摘するのはOKです。

 書き写しは,単純作業です。それが続くのは、「励ましの言葉」です。アメリカ式でやりましょう。

 この書き写しゲームに、ご両親が勝つのは、「額に入れて置いておきたくなるような1枚」ではなく、10枚・20枚と書いたものが貯まったとき、ということをお忘れなく

 ここで紹介した、日英対訳天声人語の書き写しは、海外の子ども達(自分の子どもも含めて)を、バイリンガルに育てる、最も有効な方法の一つだと、私の30年の経験から自信を持ってお勧めできます。

 お子さんのために、是非、トライしてください。

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