Q: 「『算数よく出来るわね!』と先生に褒められて自信がついたから、うちの子は現地校にうまく適応できた。日本人の子どもは大丈夫!」と会社の先輩から言われて、日本の学校で算数の良くできた子どもを連れて、安心して昨年の夏に渡米してきました。
しかし、子どもは、「補習校の算数は出来るけど、現地校の算数が分からない。」と、自身を失って、学校へ行くのが辛そうです。なぜでしょう?
A: その理由は、日本語で勉強したことがない内容を、現地校でいきなり英語で勉強させられているからでは? 一度、お子さんの補習校と現地校の算数の学習内容を比較してみてください。
実は、お子さんが日本の学校や補習校で使っている算数・数学の教科書は、「ゆとりの教育」として、それまでの使われていた教科書の内容の学習を、より上の学年で勉強するように遅らせたり、学習内容を削ったものです。
わたしが個人的に、現地校で使われる標準的な算数の教科書の学習内容と、海外の子どもが無償で受け取る教科書の内容を比較したところ、「現在の日本の教科書の学習内容が、現地校の同学年の学習内容より進度が遅い単元が一部ある」ことがわかりました。
日本の教科書での勉強に問題がないのに、現地校の算数が良く分からないなら、この学習進度のギャップに苦しんでいる可能性があります。一度、ご自身で、比べてみてください。
もし、現地校の進度が速ければ、英語の教科書の今勉強している単元や少し先の単元を、文章の多い応用問題には手をつけないで、計算問題の解き方、計算の仕方を日本語で教えてあげてください。もし可能ならば補習校で1・2学年上の算数の教科書を借りて、対応する単元の予習をさせてあげてください。
日本から移ってきたばかりの子どもが、英語での学習に苦労するのは当たり前です。これまでアメリカで学び帰国した子ども達の大半は、勉強の貯金のある算数の計算だけでも出来るから、それを現地校の先生が褒めてくれるから、教室内で自信の持てる時間がたった1時間だけでもあるから、徐々に英語での勉強に適応していったのです。
そんな、お子さんが少しでも自信の持てるものを作ってあげるのことが、適応の近道です。
それは、子どもの苦労に比べれば、お父さんやお母さんでも出来る簡単なことです。英語の算数の教科書を全部教えようなどとは考えず、計算の仕方だけでいいのです。
そして、英語の教科書の算数の計算問題が、ひとつでも自分の力で出来るようになれば、自分自身でも何をやればいいのか、子ども自身がわかってきます。
また、「がんばれよ」の励ましの言葉が、時として、子どもにとっては「親からのプレッシャー」になることも理解してください。それよりも、子どもの躓いていることを一緒に解決してあげようという保護者の姿勢の方が、効果的場合があります。
「何も解らないときに、お父さん・お母さんが助けてくれた」と、適応の初期を振り返って、語ってくれる子どもが多くいます。
ぜひ、試してください。お子さんのために;。
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